
最近読んだお勧めの本です
作者は湯本香樹実さんで、「夏の庭」というお話も
とてもいい本でした。
父親を亡くした少女が母親と二人でポプラ荘というアパートに越してきます。
ポプラ荘の大家は気難しそうな一人暮らしのおばあさんですが、父親を亡くしたという事実を受け止められない少女に
父親への手紙を書かせることで、いつの間にか立ち直らせていきます。
やがて少女は新しい父親・家族と新しい生活を始めますが、
母親との心の溝は埋まることがありません。
年月がたちおばあさんのお葬式に駆けつけた少女は、
何百通という手紙でいっぱいになったおばあさんの棺を見て
自分だけでなくたくさんの人が
おばあさんに救われていたことを知ります。
そして母親がおばあさんに託した手紙を読みます。
決して悲しい話ではないのですが
ページをめくるごとに涙があふれて
読み続けることができないくらいでした。
私にはとても無理ですが
このおばあさんのように
人の悲しみを食べてしまうような人になれたらと思いました。
2003-11-09