
熊森協会という自然保護団体の総会で、豊岡市の市長さんの講演を聞いて来ました。
一昨年の台風被害の話、そのときの全国からの救援、
復旧のためにたくさんのボランティアが集まってくれたこと、
それも少し落ち着いた頃、ある団体から薔薇の花がたくさん送られてきて、
それを避難所や市役所にいけたところ、みんなの表情が和らいだこと、
そして音楽ボランティアが嬉しかったことなどを話されました。
お話のテーマはコウノトリの放鳥。
コウノトリの保護が始まって50年になるといいます。
なぜコウノトリの保護にそれほど力を尽くすのか、
それは、40数年前、絶滅の危機から救うために、大空を飛んでいたコウノトリを鳥かごに入れたとき、
必ず生息数を増やして再び大空に返してやるとコウノトリと約束したからだ、とおっしゃったのが心に残りました。
契約書を交わしたわけでも、法律で決められたわけでもない。
捕らえたコウノトリはもうおらず、そのときの研究者・飼育者も
世代が変わったことでしょう。それでも、約束は果たされたんですね。
私たちが自然に対して果たしていない約束がまだまだあるような気がしました。
「素晴らしい市長さんですね」との会場からの感想には
「今の意見を市民に聞かせたい。
コウノトリばかりかまわないで、たまには人間のことも気にかけてくれと言われるんです」
とユーモアたっぷりのお答え、市長としての仕事を本当に楽しんで
市民とともにいらっしゃるという感じがしました。
2006-03-19