NHKの「とんび」というドラマを見ました。

エンディングが踊ろうマチルダさんの歌だったのでそれを聞きたくて。

舞台は広島、男手ひとつで息子を育てる父親とその息子の成長の物語でした。

物語の始まりは昭和30年代で、ちょうど私が育ってきた時代です。

休みの日にはバスに乗って、手作りのお弁当を持って、借り物のカメラをもって遊びに行く。

今ほど豊かではないけれど今よりよほど幸せそうな家族の姿がありました。

物語もとてもよかったのですが、その父親が運送会社で働いている様子がとても印象的でした。

貨物列車が着くと、男たちがホームに駆け上がり素手で荷物を担いで運び出していく。

まさに時間との勝負です。汗とほこりにまみれた男たち。

昔の運送会社はみなこうやって人の力だけで荷物を運んでいたのでしょう。

ドラマの後半では主人公はきれいなシャツでフォークリフトで荷物を運んでいました。

私の顧問先にも運送会社がありました。

すでに廃業されたのですが、父の代からお付き合いしていただいていた歴史のある会社でした。

昨年亡くなった先代の社長の奥様が、仕事で腰を痛めたとずいぶん苦しんでおられました。

女性とはいえ、運搬のお手伝いをされることもおありだったのでしょう。

ドラマを見て初めて先代のご苦労が少しだけわかったような気がしました。

そのころのお話をもっと聞かせていただきたかったと思いました。

今日、その奥様の相続税の申告が終わりました。

                                   2012/01/19