スポーツはほとんどしないが観戦するのは嫌いではない。

でも絶叫するアナウンサーが嫌い、大騒ぎするサポーターが嫌い。

だからオリンピックなんか見ているとだんだんつまらなくなってくることが多い。

どうしてだろうと考えて見たら、体育が苦手だった小さなころの思い出がよみがえってくる。

たとえばドッジボール。ボールを受けるのも投げるのも苦手だから逃げるのが専門。

子供ってボールばかり見ているから、ボールの行方とみんなの視線を確かめながら

死角になるところにいると結構アウトにならずに逃げていられる。

なのに一度もボールに触っていない私をかわいそうに思って

「ボールあげる、投げてみ」と言ってボールをくれるおせっかいさんがいる。

ボールを投げたって味方のところまでは絶対届かないので「いらない」と言うのに

「いいから、いいから」と無理やり押し付けてくる。

そしてボールを取られると「なんで?せっかくあげたのに。もうあげへんからな」と怒られる。

「だからいらんてゆうたやろ」なんて言い返す勇気はないがあやまる気もないから無視。

たとえばバレーボール。ゆるいボールがまっすぐ私のところに飛んでくるならレシーブできるが

上から飛んでくるボールの行方を見定めてその場所に行って態勢を整えて受けるなんて芸当はできない。

「みんなでカバーするからね」とまっすぐ私の方へ飛んでくるボールをカバーしに来てぶつかり

きついボールをカバーしてくれるかと邪魔しないようによけると誰もとれずに「ちゃんと取って」と言われる。

「できもしないのにカバーするなんて言うな」とは言い返せないのでまた無視。

少し勉強ができたからよかったけど、そうでなければいじめられていたかもと思う。

学生時代の体育の時間は、スポーツが嫌というよりこんな友人とのやり取りが嫌で嫌でたまらなかった。

みんな決していじわるではなく優しい気持ちで言ってくれるのだけれど

勝負がかかるとその気持ちが変わってしまうのだ。

ひたすら自分との戦いに没頭しているスポーツ選手の姿は清々しい。

だけど他人の勝負に興奮している人の姿は興ざめ。

そろそろオリンピックも終わるかな。