
「鶴」という合唱団の演奏会に行ってきました。
以前聞いてとても感動し、また聞くチャンスを待っていた合唱団です。
会場に張り紙があり
指揮者の櫻井武雄さんが入院されたが指揮をしますので一部変更があるとのことでした。
団員に手をひかれて出てこられた櫻井さんはいすに腰掛けて指揮されていました。
次のステージは代わりの方が指揮にたたれましたが
その方も目がお悪いようでピアニストに伴われての登場
退場の時に手が離れて舞台で立ち往生される場面もありました。
そういう場面の一つ一つを見守る客席がなんとも暖かい雰囲気に包まれていました。
最後のステージはソリスト、アコーディオンもはいっての
ロシアの大地の歌の数々。
ソリストが歌いながら合唱を指揮されましたが、
櫻井さんもやはり中央に腰掛けて時々指示を出されています。
ソリストさんたちはあくまで合唱の引き立て役に徹しているようでした。
隣に座ったおばさまが
「あの先生は本当に運お人柄の素晴らしい方で、
お客さんもコンサートを待っていて
いつも舞台と客席が一体になるんですよ。
入院されたと聞いて心配していたけれど
ああして指揮されているのを見ると涙が出てくるわ」と
話しかけてくださいました。
出演者もお客さんも指揮者のことを案じ
指揮者はそれに答えて舞台に立ち
演奏者は指揮者の思いに答えて心のこもった演奏をする
素敵なファミリーの一員になったような演奏会でした。
2009-06-07